水俣病と医学の責任 高岡滋著

隠されてきたメチル水銀中毒症の真実 2022年12月15日 第一刷 大月書店

内容は水俣病関係の歴史から、医学者の過去の過ちなど様々なことが網羅されている。市民には分からない国に利する医学者の発言など、分かりにくく隠された事項が事実を基に明らかにされている。その責任を迫る。実際の論文や文書を明らかにしている。分かりにくい特措法の問題など、その中身を解説している。36年間患者さんを診てきた医師の発言は重い。なかなか解決しない水俣病の問題を深く知る資料である。メチル水銀による健康被害はいつまで続いたのか?国ではなく民間の水俣診療所を中心に不知火海沿岸での検診を進めてきた。また*水銀汚染のない対象地を遠方に定めた比較診断の技法で水俣現地との比較による水俣病の病像論を検討する作業を行ってきた事実など記載されている。                         

*水俣診療所時代、奄美の比較対象の地では放射線技師になったばかりの私も参加していた。検査機器一式を運んで、多職種が参加。今思えば民間医療機関が多額な経費を使って水俣病の病像論を確立し裁判を戦わなければならなかったその相手、原因企業とそれを援護する国は何をやってきたのだろう。まずは国民の命と健康を守るという本来の国の意識があったのだろうか

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